睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸の状態が繰り返されてしまう病気です。
英語(Sleep Apnea
Syndrome)の頭文字をとって「SAS」と呼ばれることもあります。
睡眠時無呼吸症候群の状態が続くと、脳に供給される酸素が低下するため、脳は体を覚醒させて呼吸を再開させようとします。
その後、再び睡眠状態になりますが、一時的にせよ脳が覚醒した状態が繰り返されるため、睡眠の質が大きく低下してしまいます。
主な症状
睡眠時無呼吸症候群になったとしても、患者様ご自身がSASの状態であることを自覚しているケースは多くありません。
しかし、きちんとした睡眠状態が得られないため、「中途覚醒」、「夜間頻尿」、「起床時の頭痛」などの症状がみられるようになります。
また、日中に強い眠気を感じてしまうため、運転中のときは交通事故の引き金となりますし、肉体労働を行っているときは労働災害のリスクを高めることになります。
さらに、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、高血圧、糖尿病などのリスクを高める可能性もあるので、なるべく早い段階で治療を開始するようお勧めいたします。
睡眠時無呼吸症候群のタイプ
睡眠時無呼吸症候群のなかには、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」と、「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)」という二つのタイプがあります。
OSA
空気の通り道である気道が睡眠中に閉塞することで発生します。
日本人の場合、睡眠時無呼吸症候群の患者様の大半はOSAだと考えられています。
とくに、肥満によって首回りの脂肪が蓄積している方、舌が大きい方、扁桃肥大の方、鼻づまりがある方に起こりやすいと言われています。鼻づまりや扁桃肥大については耳鼻咽喉科での治療で改善する可能性があるため、無呼吸の患者様は耳鼻咽喉科での診察が重要となります。
CSA
脳が呼吸をする命令を出さないことで引き起こされます。
呼吸中枢の機能に異常がみられているため、早期の治療がとても重要になります。
両者ともに診断には、まずは自宅で出来る簡易無呼吸検査をおこないます。結果によっては入院での精密検査目的に連携病院への紹介をおこないます。
主な治療法
患者様の病状によっても異なりますが、基本となるのはCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)です。
使用の際は、同装置から伸びている鼻マスクを装着して眠りにつくだけです。
これによって圧が加わった空気が鼻から気道へと送られ、閉塞状態は回避されます。
鼻呼吸がスムーズになることでいびきも解消されるようになります。
比較的に軽度の患者様の場合は、オリジナルのマウスピースで対応できることもあります。
この場合は、当院と連携している歯科で専用のマウスピースを作成し、これを装着して寝て頂きます。


