このようなときは当院をご受診ください
- くしゃみや鼻水が止まらない
- 粘り気の強い鼻水が出る、色のついた鼻水がでる
- 鼻づまりが続いている
- 鼻の中がかゆい
- 鼻の痛みがおさまらない
- 顔の痛みがある
- 鼻血がよく出る
- いびきをかいていると言われた
- 臭いがよく分からない
- 鼻の中に何か触れるものがある
など
副鼻腔炎(蓄膿症)
顔面には副鼻腔(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞)と呼ばれる空洞が左右に一対ずつあり、計8つの空洞が鼻腔とつながっています。
これら副鼻腔内の粘膜が、ばい菌(細菌やウイルス)の感染などで炎症を起こす病気のことを「副鼻腔炎」と呼んでいます。
急性副鼻腔炎
風邪やアレルギー性鼻炎などで鼻の粘膜が腫れ、鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴が塞がってしまうと、副鼻腔から粘液などが排出できなくなり、副鼻腔にばい菌がたまって炎症が起こります。虫歯が原因で炎症を生じる場合もあります。
主な症状は、
- 黄色の鼻水
- 悪臭
- 鼻づまり
- 鼻水がのどに落ちる感じ
- 頬の痛み、目の周囲の痛み
- 頭痛、頭重感
- 発熱
などがあります。
鼻鏡や鼻腔内視鏡で鼻内の観察をおこない、診断をします。
治療としては、鼻内の清掃や鼻洗浄などの処置、ネブライザー、抗菌薬、粘膜の正常化を促す薬、ステロイド点鼻、漢方薬などを処方します。
慢性副鼻腔炎
副鼻腔炎が3カ月以上続く場合は、慢性副鼻腔炎と診断されます。
ばい菌の感染の他にもかびや虫歯が原因の場合もあります。また、「好酸球性副鼻腔炎」という難病に指定されている副鼻腔炎もあり、この副鼻腔炎は喘息との関係も指摘されています。
鼻鏡や鼻腔内視鏡での鼻内の観察に加え、CT検査もおこない診断します。
治療としては、急性副鼻腔炎と同様に、鼻内の清掃や鼻洗浄などの処置に加え、抗菌薬や粘膜の正常化を促す薬、ステロイド点鼻、漢方薬などを処方します。処方、薬物治療で改善しない場合は、手術による治療の検討が必要であり、連携病院に紹介をします。
鼻出血
鼻血の多くは鼻の入り口近くの粘膜「キーゼルバッハ部位」が傷ついて起こります。
ここはたくさんの血管が網の目のように走っており、なおかつ粘膜が薄いため血管が浮き出やすく、ちょっとした刺激で血管が傷ついてしまい、出血します。
この出血を止めるには、親指と人差し指で小鼻をつまんで圧迫するのが簡単かつ効果的です。
ただし、なかなか出血が止まらないときは、お早めに耳鼻咽喉科をご受診ください。
当院では、鼻鏡で鼻の中をよく観察し、どこから出血しているのかを確認し、鼻の中にガーゼをいれたり、出血している血管を焼灼して止血をおこないます。
鼻の奥からの出血の場合は、鼻腔内視鏡で出血部位を確認します。
稀ですが、鼻の腫瘍から出血していることもあり、その場合はCTを撮影し、連携病院に紹介をします。
嗅覚障害
嗅覚障害とは、においが分からなくなったり、本来とは違う匂いに感じたりしてしまう病気です。
健康な人の場合、空気中のにおい物質が鼻の中に入ると、嗅細胞が刺激され、この電気信号が大脳前頭葉の嗅覚中枢に伝わることで様々な臭いを認識することができます。
この経路のどこかに障害が起こり、においの情報が伝わらなくなると、嗅覚障害になってしまいます。
嗅覚障害のなかには、「気導性嗅覚障害」、「嗅神経性嗅覚障害」、「中枢性嗅覚障害」などのタイプがあります。
気道性嗅覚障害
副鼻腔炎やそれに伴う鼻茸(ポリープ)、アレルギー性鼻炎による鼻づまりなどでにおい物質の通り道が塞がれ、嗅細胞に届かないことでおこります。
そのため原因となる病気が改善されれば嗅覚を回復出来ることが多いため、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の治療をおこないます。
嗅神経性嗅覚障害
頭部の外傷などで嗅神経が障害されたり、コロナウイルス等のウイルス感染で嗅細胞が破壊されたりすることでおこります。
軽度の場合は自然に回復することが多いですが、障害が長期化してしまうこともあります。
治療としては、漢方薬やステロイド薬の処方、嗅覚リハビリテーションなどをおこないます。治療が年単位で必要となる場合もあります。
中枢性嗅覚障害
頭部外傷、脳出血、脳梗塞、脳腫瘍などが原因となります。
パーキンソン病やアルツハイマー型認知症などにも嗅覚障害が合併し、特に、これらの疾患の主症状の発症前に嗅覚障害が出現することが知られています。
鼻中隔弯曲症
鼻の中を左右に分けているしきりである鼻中隔が、左右どちらかに曲がっている状態です。
弯曲の程度によっては、鼻がつまる、いびき、においがわからないといった症状が出ます。
患者様によっては、頭痛、鼻血などの症状に悩まされることもあります。
鼻鏡や鼻腔内視鏡による鼻内の観察やCT撮影などで診断します。
治療には手術が必要であり、とくに、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎を合併している患者様は、手術をお勧めするため、連携病院に紹介をします。


